インスリン投与せず男児死亡祈祷師逮捕について

ネットやフェイスブックで取り上げる方が多いので
私も書いてみることにしました。
なぜ、この男児の親や周囲の人は止められなかったのか
という疑問をネットやフェイスブックで見かけますが
1型糖尿病(注:インスリン依存型)は生命維持に必要な
インスリン分泌機能がなくなっている病気なので
インスリン注射が必須の治療法です。
なんて私も患者さんやその家族に説明するときはだいたい
こう言っていました。
しかし多くの人がピンと来ないようです。
つまりインスリン注射という治療を重要視していないのだと
思います。
私がこの病気だったら相当落ち込みます。
なぜなら一生インスリン注射を毎日しないといけない
のですから。
必ず決まった時間にインスリン注射をしないといけないので
ほんの数分ではありますが時間を奪われるのですから。
患者さん本人でもピンと来ない方が多くインスリン
(特に持効型)を打ち忘れる場合があります。
この男児の通う学校の職員はなおさらでしょう。
そこで私はこう話すようにしています。
「インスリンが開発される以前は死んでいた病気なんですよ」
「開発されていて助かりましたね」と
こう言うとさすがに、「んっ何だ」と感じてくれます。
「特にこのインスリンは打たないと命にかかわりますからね」
と続けてから1型糖尿病という病気の説明を再びします。
私がこの病気だったら相当落ち込むわけですから
落ち込まない患者さん(落ち込んでいるように見えない患者さん)
だと正直私はうまく伝わったと思えません。
インスリン注射の重要性をわかっていないと判断しますし
あるいは自身が病人であることを受け入れられないの
かもしれないと判断します。
何が言いたいのかというと『ピンと来ないもんなんです』と
言いたいだけだったのですがながながと書いてしまいました。